観念した

ブログ作るつもりなかったんだよ。ほんとうだよ。

【ぐだぐだ話】面白いものが見たいという気持ちと再生数に対する焦りのこと


やっぱそう言うことだよなあと思ったと言う話です。

褒め記事の前に吐き出しておきたくて



顧客が求めていたのはドリルではなく穴であると言う話 というか



侍tubeのクオリティに関して、YouTubeのコメ欄という、基本的に平和で良いことしか書かれない(メンバーも見るからスタッフのモチベやメンバーのメンタルのためにも良いことを書きたいし、外部の非オタも見るから民度良くしておくに越したことはないので)ような場で、ファンが「流石にもうちょっとどうにかならないか。クオリティというか。例えばテロップとか、動画の長さとか」ってなってたんですよ。


最近(2022年の1月〜7月頭くらいまで)の侍tubeって(個人的な感覚によりますが)2.3本くらいちょっとやばいのが続いて1本良い感じのが出てまた3本くらいやばいのが続いてくらいの打率で、その前はまあたまにつまんないのもあるけど編集自体はそこまで酷くなかったり打率としてはそこまでひどくなかったり、てかんじだったのでなんか全体的に「なんか前よりおかしくなったよね」という感覚の人もいるよねって感じ。

あとパフォーマンス動画もかゆいところに手が微妙に…微妙〜〜〜に届かないみたいのでは、みたいな惜しさもあったりして、てかそもそもいまJr.チャンネル自体全体的に伸び辛い段階なんだろうとはいえ数字見て焦るファンもそりゃ出てくるよと言う感じで


地上波や有料放送のバラエティの中で映える彼らを見たから余計、と言うのもあるだろうけど


まあそう言うのが流石に爆発したのかなって感じなんですけど。


でその内容も、前なら多分あそこまで具体的なコメントにならなかったと思うんですよね。


「テロップもうちょっと拾ってほしい」「もうちょっと長い動画も見たい」とか、もうなんかふわっと面白い動画期待してますとか○○企画が見たいとか言ってても通じない!と思って、というか「ファンが熱望する○○企画がもし来たとしても、この編集クオリティでやられたら意味ないな」ってなるレベルまできてると言うか、具体的な方法まで言わなきゃ伝わらないって、


お前らのせいだってスタッフ非難したいんじゃなくて、建設的な話がしたいだけなんだっていう姿勢でいたい、というか、


この状況でもまだ頑張って、感情的な主観による叩きみたいにならないように頑張ってるようにわたしには見えたんですね。一部やばいのもいたけど。


けど、その本質は「楽しく動画を見たい」

「クオリティを上げてほしい」「面白い企画して欲しい」「もっとメンバーの魅力が伝わる動画にしてほしい」

であって、


「テロップを多く」とか「長尺で」とかは、「そうであれば無条件に面白い」と思ってるわけではなく、


あくまでそのために具体性のある提案をしなければ伝わらない、変わらないのではないかというところから出てきた案だとは思うんですよね。




SixTONESのJr.チャンネル時代の動画見てたんですよ。で、その中でも人気の寝起きドッキリ(2回めの奈良のやつ)、ふと見たら10分ジャストくらいの、比較的短い動画なんですね。

9分58秒とかなの。

自分これにすごいびっくりしたんですよ。


このボリュームで10分ジャストくらいなの?!って。


しかもすごい面白くて、それぞれの個性も出て、次の企画(報告ドッキリ)まで見通しが立ってる。

流石としか言いようがない。あと1回めの沖縄寝起きドッキリのリベンジ要素もあるから、そっちも付随して伸びやすい。一つの動画で複数の動画の再生回数まわる動線が引かれてる。すごい。



最近の侍tubeの尺の長さでいうと、比較的伸びて反応良い企画だったねってなった雪上人狼やうるおい祭りと、視聴者置いてけぼりになってコメ欄ちょっと荒れた(そして私が延々擦ってる)氷柱企画、尺の長さは大して変わらないんですよ。


だから長けりゃ良いってもんでもない。むしろ氷柱企画は長めの動画やろうとして失敗した側面があるんじゃないかとすら思う。


ただ、

それだけ長い時間彼らを見たいという気持ちであったり(つくづくサムスト無くなったのってファンにとってきつかったんだなと思う…)(毎日更新本当ありがたかった…)、


カットされてる方に、もっと他に良いシーンは無かったのか?とか(スタッフのシーンの取捨選択への信頼感のなさ)、


それなりの時間カメラ回してるだろうにこの長さになって、しかもその分テンポがいいとか凝縮されて面白くなってるとかであるかと言われると疑問…(編集スキルが追いついてない)、とかがあって、


となると、


「思い切って長尺回しっぱなし企画とかやってみても良いのでは?」

「旅行企画とかお泊まり企画とか、伸びやすくかついやでも長くなるような企画はどうか?」


みたいな提案になるんじゃないかなぁ。

30分くらいの長尺企画とか、ほかのグループだとたまにやってるしね。


メンバーのスキルや体力的に長尺動画は難しいのか?っていうと、うるおい祭りとか雪上人狼見てるとそんなこともなさそうだし。

一応やっぱメンバーもスキル的にまだ足りないところ、発展途上な部分はあるだろうし、かつ、Jr.チャンネルってこうスキルフルプロ集団的なYouTubeスタッフが全部やってあげる〜みたいな感じよりは、メンバーとスタッフが対等な関係で、一緒に成長して作り上げていく感じ、ぽいかなー?とは思うんですよ。



でもだからこそYouTube始めて2年以上経った今この状態になってるのが、余計に視聴者的には腑に落ちないんじゃねぇかな…。



テロップも全部拾えば面白いかってそんなことないわけなんですよね。

そこもテンポとか、シーンの取捨選択とか、テロップの出し方とか、フォントやサイズや位置や動きや効果音との合わせ技とか、色々センスや技術が必要であって。


BGMもただあれば良いわけではなく、音量の調節や、動画内音声、発言、テロップとの連携や調整に、場面や発言に合わせた選曲しないと逆効果になりかねん、等々というのが大前提あるわけで



「動画のクオリティを上げてください」

「楽しく動画を見させてください」

「つまんない動画をでもメンバーが出てるし…って我慢して見なきゃいけないみたいなのはもう嫌だ」


みたいなのがこう…言いたいことの"本丸"なんですよね。本当は。

テロップとか尺に関してはあくまでサブというか。


デビュー前のコンテンツなんてクッッッッソつまんなくて当たり前で、ただメンバーがなんか頑張ってるからそれだけを頼りにガンガン再生数上げて「早くもっとこのグループに予算割けゴルァ」と運営を数字で殴るのが本来のJr.担のスタンスであるべき、てのもまあそれも一つの考え方だと思いますというか、実際そう言うファンが居るからこそ継続できてる側面は絶対ある。


でもそれはそれとして、面白い動画ができれば外部ファンが増えたり知名度アップになるし、布教もしやすいんですよ。


つかJr.のコンテンツでも面白いものバンバン作ってきたからこそ「つまんなくて当然」も通用しなくなってきてるところはあるだろうしね…



そもそもせっかくのYouTubeチャンネル貰ったっつーのにそこで「内部ファンが見ても楽しめるかどうか微妙なライン」みたいな微妙な動画作ってるようじゃどちゃくそ勿体無いし、つーかそんなことしてる場合でもない…よね…というのもあります。


端的に、デビューに向けて頑張ってるんだもんよ。


ジャニーズからデビューするってことは、多分ですがCDが売れる目処がつかないと無理なんですよね。あとライブの動員の目処。これはファンクラブの名義の数とかもあるかな。


例えばですが、SixTONESはJr.チャンネル時代にYouTubeのキャンペーンに選ばれただけあってか今でも毎週なんかしらYouTubeでコンテンツ出してます。

最近の新曲「わたし」のMV再生が発売直前までに1000万再生目指そー!とかファンがしたりしてました。(今1400万くらい)。

そして実際の売れ行きは初週ギリハーフミリオン行かなかったけどちょっとしてからハーフミリオン突破しました。


1000万再生されて、売れたCDがざっくりその20分の1の数字なんですよ。


じわじわ売れていくのを目指すにしても、シングルは特に初週〜初月の売り上げが大事だし。


SnowManのオレンジkissはMVとダンプラ合わせて今(これ書いてるの発売日すぐです)見たら1700万再生くらいで、CDが既に60万いってる。ほんと化け物だなこの人たちの売上…


なにわ男子はアルバムですがダイスマで新たに作ったMVが600万再生超えて、その他諸々shortsとかまではあれですが回りまくって、発売から2日でハーフミリオン超えました。流石の勢いだなと思う。


YouTubeの再生回数とCDの売り上げが必ずしも連動してるとは限りません。しかし、どれくらい売れるかの見通しをつけるために参考にされる数字の一つではあるだろう、くらいのことは思うんですよただのにわかファンでも。いや1番は予約の数だろうが…



単純計算ではなかろうと思いつつ、例えばパフォーマンス動画300万再生くらいいってたらCDざっくり20分の1で15万枚くらいは固く売れそうかなあ、とかは思うわけです。上記の化物ども見てると15万って少なく感じますが、ジャニーズ中堅あたりだと売上15〜20万くらい割とある数字なんですよね。

もちろんデビュー後すぐの売上がこれだと多分ちょっと足りないだろうし、音楽以外の仕事や知名度や経験値、ファンクラブ人口の差などもあるので300万再生いったからデビューいけるだろとはまあならないでしょう。


でもパフォーマンス動画300万〜500万とか行ってたら、やっぱ全然違うんだと思う。


じゃあバラエティ系はどうかっつーと、多分だけどアベレージ40〜50万再生は欲しいと思う…


本当なら平均を極端に下げるような動画はない方がいいので、内容に関わらずガンガン回した方がいいんだろうと思う。平均値が上がるので。120万再生もあるけど10万再生もある、てのよりは平均40〜60万、たまに8.90万が出るみたいなのの方がいい。デビューさせるならなおさら、たまのホームランタイプより、打率が高くていつ見ても大体そこそこ良くて笑える、という方がいいわけです。


けどそんなこと分かった上で、侍tubeに苦言呈した人は「見せるなら面白いもの、それなりのクオリティのもの見せてくれ、ジャニオタなら黙って受け入れて我慢するだろうとか思わないでくれ」と表明したわけで

私はそれ自体は悪いことじゃないだろうとは思いました。

実際酷かったし。

あれで平均40万再生オーバーすると思ってんのか本気で?!?!と首根っこ引っ掴みたくなるクオリティではあったし…



荒れたコメント欄は外部から見ると印象はそりゃ良くないけど、ただメンバーの顔面褒めるだけのいいとこ探し穏やかコメント欄でも「つまんなくてもジャニオタはジャニが出てれば金出すからクオリティ低いコンテンツ量産されるんだ」とかクソみたいな責任押し付けられるハメになるんだしな…そんなことまでファンのせいにされても困るわい。つか別に喜んで受け入れてるわけではない。

文句言ったところでどうにもならんと諦めているか、要望は個々で運営にお手紙かご意見メールしてるだけだったりしますしね。


YouTubeのコメ欄の人たちだってなにも初めてそんなこと思ったのでコメントしてるわけではなく、前々からおかしいなと思いながらYouTubeではそういうふうに見せなかっただけで、個々にご意見送ってる人もいればTwitterやその鍵垢で嘆いてる人はいたものな。

それが決壊してしまった、という側面はある。



あと、例えばYouTubeスタッフとか制作側の都合、時間内とか予算がとかスケジューリングとかでクオリティが多少アレになったとしてもさ、それを笑ってネタにできるとか、そういう方向性にもできてないよなと思う。


本来ならそういうの視聴者が察しちゃうのもなって感じだしそれが言い訳みたいになるのもどうなんというのはありますが、それをもとにひとネタ、ワントーク作れてひと笑い作れるならそれでもいいんですよね。

それがまた難しいのはあるだろうけど。

言い方やクオリティによってマジでただの言い訳にしかならなかったらそれはそれでよりアカンわけですし…


たとえばまたSixTONESの話になりますが最近SixTONESは日帰りキャンプ企画をやってて、それの初回で「聞いた?この企画で何本撮りたいのって(スタッフに)聞いたら『8本』て!」「8本?!」「俺8週迷彩?!?!(※迷彩柄の私服着てた)」となったワンシーンがあるんですけど、


しかし冷静に考えて1日でそれだけ撮れ高作れるだろうと思われるSixTONESもおかしいな。じゃなくて

それだけ一日中6人揃うスケジュールもぎ取るの大変なんだろうなとも思う。ただ予算(ひとり一万円という予算設定があった)に関しては最後完全に薙ぎ倒したし、いろいろSixTONESにしかできないパワープレイもあろうが、


でもそれが笑いに、面白みに繋がってたから良かったんだと思うんですよ。


8本分回すってんで、普段ならカットされてそうな固定カメラから見た車の乗り降りとかそのへんも入ってて、丁寧だしまったりした雰囲気にもあってた。


ていうかあれだな。


なによりスタッフに振り回されてる感がないのでストレスが少なかったな…


不満があったらパッと言う、というか、特に田中樹という人は視聴者の思った疑問や不満を想像する能力(客観視とも言う)と、それを変な空気にせずスパッと提起できるスキルがあって、それがツッコミにも活きてるんだけどさ。

客観視、大事。



侍tubeへの視聴者の不満は、メンバーの良さや、こう…「元気さ」「自由さ」みたいなものを、周りのスタッフが編集や企画によってデバフかけるというかナーフしてしまってる感があったから、というのは絶対でかいと思うんですよね…。

一個前の記事で書きましたけど、物理的デバフ環境(冷蔵庫内)で選択肢のない罰ゲームやらされてたりしたらそりゃ「元気に」「自由に」みたいな形容詞が出てくるようなメンバーの姿は望めないよなぁとなってしまうので…


だからスタッフの想像以上だろう大暴れをしてくれる大光は本当に視聴者のメンタルに良いんですよね。

あとスタッフの想像を半ば天然で超えてくるりねこんぴあたり。


スタッフに振り回されるくらいならスタッフ振り回してるような演出してくれた方がいい。実際のところはきちんとしてるだろうこと、真面目であることが伝わってるから余計に。

スタッフが大暴れしてても「でも本当は真面目だから」とか思ってやれませんからね視聴者は…実際それがクオリティに繋がってない(ことが多いように感じられる)わけだし…




とかまあうだうだ言いましたがまあ侍tubeに関してはやれることは(良いと思った)YouTubeの再生回すことであり、

YouTubeの内容やクオリティに関しては事務所にご意見メールとかお手紙を出す、ことになるんだと思う。


私がここでウダウダしてるのは自分の考えやスタンスをまとめるため(そうすることで自分の感情と向き合うため)の他に、侍tube見ててモヤモヤしたファンに対して「まあしゃーない、そう思うだけの要素はあったよ」「好きなとこだけ見たり好きな回いっぱい回そ、全部楽しめないのはファン失格だーとか自分責めたり落ち込むことないよ」って言うためであり、


「不満を持ってるファンの思考回路がわからん」「ネガティブな意見言うのはどうかと思う」「つか侍つべ楽しいじゃん!」というファンに「こういう見方や考えもあるで〜」とやるためであって、



事務所に対して伝えたいことはきちんと伝わる形でご意見を送らんとですからね…。

淡々とやっていこうね…。






というぐだぐだ話でした。また無駄に長くなってしまい…毎度読んでくださる方ありがとうございます…。



次こそ褒め倒し記事を書きたい。










「氷の中のボールを取り出せ」ゲームがゲームとして成立してなかった理由とその意図の一考察

これ描き終わらんくてグダグダしてる内に最適解というか氷柱企画のダメなところ全部カバーした完璧アンサーみたいな企画(うるおい祭り)が投稿されたのでもうこれでええやんけわたしのブログ見るよりうるおい祭りを見てください。おわり。でいい気がしてしたんですけどまあわたしが始めたことなのでとりあえず書き上げます!!!

 

youtu.be

うるおい祭りみんな見てね!!!!!!!!!!これ本当に良かったので!!当たり前だがめちゃくちゃ伸びとる。1日で先週の企画の再生回数既に超えとる。えげつな。元々サムネちゃんとしてる回は伸びが良かったしサムネがいい回はだいたい企画も編集も良い方なのでさらに伸びるんだけどよ。

 

↓ほんへ↓

 


構成の話が書き上がりませんというかそもそも私は構成について書くには知識やら何やらが足りなさすぎるんだと思うが書きたいので書いている。完成したら奇跡が起きたと言祝ごうと思います。

というわけでサムネの話に引き続き、要素を小分けにしてやっつけていく方式をとります。

 

今回は「氷の中のボールを取り出せ!」という対決ゲームの、いわゆるゲーム性について考えていきたいと思います。

 

またこのゲームはそもそも何がしたかったのか、と言う側面から「この企画はそもそも何がしたかったのか」を捉え、それは結果的に動画におけるどう言う作用に繋がったのか分析…できてたら良いな…専門外なので今回はあまり自信がない。
専門の方いたらお話を聞きたいです

 

書いてて思ったけど「氷の中のボールを取り出せ!」、すごい虚無なゲームだなこれ…文章書きながら「穴掘って埋める作業」と言う言葉が頭をグルグルしました。賽の河原か?


これを面白いと思えない人がいたとして、それは妥当であろうな、と言えるだけの要因があり、それは個々人の好みの話でしょで片付けるのは理不尽だよな…と言う話がしたくてこんな文章をまとめています。
いやまあ好みもあるけど、そもそもこのゲームで誰かを楽しませようとしてはいなかったんじゃないかって話をします。


結論を先に言うと、これはまともなゲームとして成り立ってません。
しかしおそらく制作側は意図してわざと「ゲームとして成り立ってないゲーム」を用意したんだと思います。


なぜなら撮りたいのは「ゲームしてる侍」ではなく、「理不尽な目に遭う侍」だったから。

 

んでそれに対して視聴者の反応がいまいちだった(だって例えば「籠担いで猛暑の中歩け」とか「長い階段を歩け」とかだって理不尽と言えば理不尽です)のは多分複数の要因があって、

それが例えば安全性の問題だったり、

※過去記事リンク

gudagudasan.hatenablog.com

 

他にも動画内にフォローがなかったとか、そもそもドッキリの後だったとか(ネガティブなドッキリやって理不尽ゲームやってネガティブなドッキリで〆たので、見てる側の感情の持って行き場がない)、「それでも楽しかったと言える何か」がなかったから、とか、シンプルにクオリティの問題とか、

 

らへんの問題の合わせ技だったのではないかと考えられます。この辺は今回の記事ではなく、構成の記事かドッキリの記事になるかなと思う。

 


という風に推測し、その根拠をつらつら書いていこうと思います。

そしてそれはメンバーたちの頑張りを否定するものではありません。

 


このゲームのルール聞いて前向きに捉えようとしたこんぴー、えらいね…。こんぴーはなんだかんだ深夜バラエティ適正が高いよな。それを活かせる編集をしてくれ。

 

 

ゲームのルール

 


まず、ゲームのルールを確認しましょう。

 

 ・2チームに分かれ氷の中のボールを取り出すゲーム
 ・氷を溶かすのに使うのは己の体のみ!
 ・先に取り出したチームが勝利となる
そして途中でミニゲームがあり、勝利するとアイテムが手に入ることが補足されます。

 

何から突っ込めばいいのかわかりませんが、どこをどうすればこのゲームを面白いと思ったのかが分からねえ。書くのやめていいか(大の字)(やります)(やるったらやる)

 

…最初にも書きましたが、動画を分析していくと、おそらく企画した人はゲームそのものの面白さっつーか「ゲームとして成り立っているか」を考えるよりも、「メンバーが罰ゲームめいたことをやっている」という絵面そのものを「面白いコンテンツ」と捉えてそちらを優先している節があり、ゲーム性に関してハナから優先度が低い…というか、「別にゲームとして成立している必要はない」と思っていたのでは?と推測されます。

 

または、他のYouTuberたちが類似企画、いわゆる「巨大氷企画」においてどのようなルール、ゲームバランス、報酬、などを設定しているかの先行研究がなされていないか、していてもそれらのルールや設定がどのような機能を持って設定されているのか理解していないか、です。

どちらにしろこのゲーム設定の詰めの甘さが回り回って視聴者及びファンの戸惑いを生む要因になっていると考えられます。

 


分析していきましょう。
今回ゲーム性に関してざっくり2本立てです。

 

・選択肢の有無
・報酬の有無

 


この2つの側面からこのゲームがどうだったのか、それが動画にどう反映されているかを考えていきます。


選択肢がないゲーム

 


アナログゲームのゲーム性というものを考える際、重要な要素として

 

「プレイヤーに選択肢があること」

 

があります。


それによって勝敗や報酬、展開などが左右され、その選択の決定権はプレイヤーにあります。


ジャンケンでいうと「グー・チョキ・パーのどれを出すか」、あっち向いてホイならジャンケンに加えて「どちらを向く/指すか」、ダンスしりとりなら「どんなダンスをするか」「難易度の低いダンスで次に繋げるのか、難易度の高いダンスで次に仕掛けるのか」、鬼ごっこなら「どこに向かってどう動くか」などですかね。

 

それによって

 

・プレイヤーが能動的に、主体性を持って楽しめる
・プレイヤーによって展開が変わり、個性が出る
・戦略性がある、駆け引きが楽しめる

 

などの面白さに繋がります。

 

ではプレイヤーに選択肢がないゲームは?

 

・「やらされてる感」が出る
・どのプレイヤーがやっても同じ展開になり、個性が出ない
・戦略性がなく、作戦や駆け引きもない

 

ということになります。

 

ハイクオリティなビジュアルがメインだったり、ノベルゲームなど、ゲームの仕組みそのものがメインではない場合はまた違うでしょう。が、アナログゲームで「プレイヤーに選択肢がある」ことはとても重要です

 

さて、「氷の中のボールを取り出せ」対決において、プレイヤーに選択肢はあったでしょうか。

 

無い。

 


マジで一個もない。嘘だろ。
本当に無い。選択できる部分がない。

 

特にネックなのは「氷を溶かすのに使えるのは己の体のみ」ではないでしょうか。「ボールを取り出せ」と言いながら、上記ルール以外にもなぜか「氷を倒して破壊することはアウト」という謎の規定があり(ならそもそも氷を固定しておけよという話ですが)、

 

そしてボールを取り出す方法は“溶かす”一択とされます。

 

選択肢がない。
多分回し蹴りで砕くとかもダメだし(まず怪我しそうだしな…)

 

そして使えるのは「己の体のみ」。氷を溶かすために『人体』でできることは

 

・体温で溶かす
・氷より硬い部位で削る

 

しかない。
そして氷より硬い人体の部位は「歯」か「爪」しかありません。衛生面や、ボールへの最短距離が平面からであることを考えると歯は無理。

となると削るなら爪一択、になります。

 

 

まあつまり、とにかくメンバーが脱いだり、氷に素肌を晒してひっついて冷たい寒いと騒ぐ画面が撮りたかったんだろうな…としか…(ドッキリもこれでは?)

 

 

つまり、戦略性とかは無駄な要素だったんだろうな、という話です。撮りたい絵があり、そのために無理やり「対決ゲームっぽいもの」を捻り出した、というのが実際のところなのかなと。


しかしそれだけでここまで徹底してどうにもならないゲームができるとも思えません。ここまで全部選択肢を排除しているのが全て意図的なら流石に偏執的と言える。だからいくらかは「偶然そうなってしまった」んだろうと思います。
というかそう思わせてくれ。

 

えーとつまり、撮りたい画のために、ゲーム性を打ち捨てたゲームをやらせた結果、しかしそのために動画の面白さや魅力などが結果的に犠牲になってしまったのではないか。


選択肢の無さは随所にあります。

 

・どんなチーム分けにするか、などを考える余地がない
(メンバーの個性や得意なことによって有利不利が予測されるなど、チームによって展開が変わるだろうと予測できる要素がないため)

 

・どちらの氷を選ぶか、などを考える余地がない
(氷の置いてある環境、氷のサイズ、形、入ってるボールもボールの位置も同じ
=選ぶ必要がない
=チームの戦略や個性も出ない)

 

ミニゲームに参加するか否かの選択の余地がない
(ミニゲームもお互いがいなければ成立しないゲーム(ジャンケンなど)を設定されており、またやらないと負け確定レベルに差がつくのが自明なため)
ちなみにミニゲームの時点で矢花くんがゲームバランスのクソさを突っ込んでいます。えらい。もっと言っていい。この客観性をもっと前面に出してもよかったかもしれませんがテロップすら拾ってません。この野郎(モンペ仕草

 

・どこから溶かすかの選択肢がない
(氷のサイズ、形、入ってるボールもボールの位置も同じ
=「ボールまでの最短距離」がどちらの氷でも同じ
=戦略性がない
=個性が出ない)

 

ミニゲームで手に入るアイテムが選べない
(数種類から選ぶのではなく、決まったアイテムが与えられるのみ。またミニゲームが始まるまでアイテムが何か明かされない。
=戦略性がない
=個性が出ない)

 

あとそうですね…


・プレイヤーがルールを追加するなどの発展性がない

プレイヤーがゲームにおいて「じゃあ○○縛りにしようよ!」とか「こういうルールにした方が面白くない?」みたいなことをやれる余地がないというか、起こってない。


YouTubeのオリジナルゲームだと割とこれが面白い展開を作ることがあります。個性もでます。
しかしそれも今回のゲームにおいては…うーん…
「150kgの氷柱」「おそらく企業用の冷蔵倉庫内」「ドッキリの後」あたりが結構ネックで、氷柱を作る前ならともかく、すでにボールin150kg氷柱がある状態では難しそうです。
そして場所が場所なので「これ使ってもいい?」「あれ使ってもいい?」みたいな交渉もし辛そうではあるかな…。

 

「じゃあスタッフにジャンケンで勝てたらアイテム頂戴!」とかの交渉はできたかもだけど、それが受け入れられたかは微妙そう(撮りたいのはゲームの面白さより、寒い冷たいと叫ぶメンバーそのものであるっぽい)な印象なのもこう…ドッキリの後の理不尽展開が欲しいだけっぽいのがあからさまだとメンバーが舵取りをスタッフから奪うにはスタッフ側の柔軟性と信頼関係が…どうなのかなって…

 

「選択肢、ない?没交渉?スタッフのいうことは絶対?」みたいな「メンバーが従わされてる」っぽさをより感じさせてしまうのはここもあると思う。

 

また、例えば足で踏む巨大ピアノでの対決企画の時、最後に1対5でやったりしましたけど、あれは「それでも“いい勝負“になる可能性がある」と思えるから成り立っていた、というのもあります。

ただでさえ達成困難な氷柱企画でやったらただのイジメです。

と言うか最終的にメンバー全員でやっと達成したので、そもそも対決自体成り立ってたのかも怪しくなってくる。

 

そういう意味でもゲームバランスの悪さは誰が見ても明白で、それがさらに理不尽さを強調してしまっているんですね。

やれるとしたらご褒美の交渉くらい?「わかったつまりボールを取り出したら温泉ロケのご褒美ですね?ですよね???OK」みたいなやつ。まあ、無かったので、「できなかった」か「あってもカットされた」のどちらかであり、観る側は感知のしようがありません。


あと
・相手チームを妨害する、邪魔をするという選択肢がない

もかな。


ギリギリ克樹くんが相手チームのドライヤーから温風奪ったりしてましたがそれくらいかな?つかこの動画わりとメンバーが頑張っておもろいことが起きてるのに全然テロップとかで拾われないのももったいないんですよね…

妨害以外にも、例えば「ズルをしやすい」とかあと面白いことしたり脱線しやすいゲーム、企画、というのもあって、それはそれとして企画としては時にすごく面白いものになる。彼らの真面目さ(この企画においては“従順さ”に近い印象になってしまいましたが…)とステージの自由度の低さ、ゲーム性の低さ故に、ズルとかをする余白が無かった…と言うか。

 

「ズルをして負けても、まあ楽しかったからいいか!」

 

をするにも、それなりに「ゲーム自体の楽しさ、魅力、面白さ」他を、しっかり積んでおく必要があるんですよね。

ゲーム性を(おそらく)打ち捨てている時点で、それが望めなくなってしまった。

なぜならゲーム自体は別に面白く無い、というか「徹底して面白くならないよう設計されている」レベルだからです。


そして、前述の通り

 

・どうやってボールを取り出すかの選択肢がない
(溶かす→素肌の体温で、削る→爪で、しか選択肢がない)

 

かろうじてミニゲーム内のジャンケンとあっち向いてホイがありますが、これらは単体でゲームとして成り立っているので当たり前です。
サイコロは運ゲーですので選択肢はありません。展開のランダム性に多少寄与したくらいですが、後述しますが報酬設定がクソなので結局無意味になっている。


だから企画内におけるメンバーの選択肢があるとすれば…「ゲームの放棄」「ルールの改定」をとりあえず外しておくとしたら、「ミニゲームを重く捉え、そちらに注力する」だったのかなーとかは思いますが…
あのミニゲームがどれくらいの頻度であったのか、かつ、「何分おきに」とか「ここまで溶かしたら」みたいな事前に開示される、見通しのある出し方だったのかそうで無かったのかも、見てる側としてはわからないんですよね…。

 

 

さて、ここで「選択肢がないゲーム」がどういうものかを振り返りましょう。

 

・「やらされてる感」が出る
・どのプレイヤーがやっても同じ展開になり、個性が出ない
・戦略性がない

 

「メンバーがやりたくないことを、スタッフに無理やりやらされているのでは?」

 

動画を見てそんな印象を持ったファン・視聴者が多かった理由の一つが、この「選択肢の無さ」だったのではないでしょうか。

 

つか、「理不尽な目に合うメンバー」という図を撮ろうとするあまり、自動的に「スタッフの横暴さ」と「メンバーの従順さ」が際立ってしまったと言うか。


そしてそういう構図を見た時にファンがどう思うかっていう…せめて面白ければ良かったけど編集と構成がクソ過ぎて全然笑えないんだよな…

 


もっと言うと「ゲームとしては崩壊しきったこの内容で“対決ゲーム”と言い張るスタッフ」、本気でやってるならだいぶ厳しいものがあると言うか頭を抱えるしかなくなるので「ギャグであえてやってるんだ」「あえてそういう画を撮るためにやってるんだ」と思わせて欲しい…と言うのもまた個人的な本音ではあるのですが…

 


プレイヤーに選択肢がないということは、プレイヤーに決定権がないということです。決定権がないということは「何かが起こったら自分のせい」と思えないということでもあり、つまり主体性を奪われているということで、それはゲームの楽しさとは遠いものです。
「負けても勝っても、それはプレイヤーのアクションとはさほど関係がない」ということだからです。
ゲーム以外の部分で楽しさを演出するしかありません。(で、じゃあ演出にそんだけ力入れていたかと言うと…と言う話はまた後日します)

 

そっからさらに「プレイヤーに決定権はないけど、何が起こってもそれはプレイヤーのせいね」となればそれは、シンプルに理不尽、ということになってしまいます。

 

理不尽なゲーム。
を、楽しい企画、楽しい動画、に思ってもらうの、難易度が相当…相当高い…とは思います…。

 

何度も言いますがおそらくこの「やらされてる感」はわざと出してるんだろうなとは思うんですよね。「罰ゲームみたいな企画をやらされているメンバー」を、面白いコンテンツとして視聴者に提供しようとした、というか。
「それが面白い」という考えのもとやってるっぽいな〜とは思うんですよドッキリもそうだけど。イヤホンつけるとわかりますが随所にスタッフの爆笑声が入っています。多分現場で見てる分には笑えたんでしょう。

で、ゲームとして成立してないゲームをやらされるメンバー、理不尽で面白いでしょ、と言う動画にしようとした。
多分ファンもこれまでわりと「罰ゲームみたいな企画やらされる侍www」みたいな反応してきたと思うし。

 

ただ、“理不尽さ“と“面白さ“は別に比例しねえよ?という話であってですね…。

 

何より「その場では笑えた」ものをカメラ通したからってそんまま画面の向こうに伝わると思ってるならシンプルに誤りです。爆笑トーク一つにも伝えるスキルというものが必要なのに、動画制作なんて何をか言わんやです。

面白いものを面白いまま画面の向こうに伝えるの、難しいことなんですよ。

広く多くの人に届けたいなら、なおさら。

 

 

つか「戦略性がないゲーム」、やる側もそうですが観る側もどう楽しんだらいいのか、迷うよね…。
また、ゲームとしてシンプルにおもんないってことは、視聴している側が

 

「自分がプレイヤーだったらどうするかな?」

 

と考える楽しみも、無いってことです。

これでファン以外の視聴者も楽しませよう!と言うのは、ハードルが高いことに挑戦しているな…と思います。無理では?(澄んだ瞳)

 

 


次。

 


報酬のバランス


「このゲームは彼らに何をさせたかったのか」で一番頭を抱えたのがここです。
このゲームにおける「報酬」はなんだったのか。

 

ゲームバランスを考える際に、

「プレイヤーのかけた労力」

「結果得られた報酬」

がある程度釣り合っていることで、公平性を担保したり、プレイヤーへの過剰な(不必要な)ストレスを回避し、それが「ゲームの面白さ」にもつながります。

 

大変な労力をかけたのに報酬が少なすぎたり、同じ労力なのにあるときは過大な報酬、あるときは過小な報酬…とバラバラだったり、大したことしてないのに報酬ばかりすぐ貯まったり…と言うのは、公平性を欠いたり、プレイヤーや、見ている人に必要以上のストレスを与えます。

特に、難易度の高い要求、困難な課題をクリアしたのに、報酬が低かったり、報酬自体がなかったり、下手すると「クリアしたことで罰ゲームを受けるハメになる」などすれば、それはとてつもない「理不尽さ」の演出になってしまいます。

 

ゲームによってもこのバランスの取り方は難しいものから簡単なものまであるかと思いますが、シンプルなアナログゲームにおいてはそこまで困難なことでもありません。


いやまあ、この企画においては「ゲームそのものが成立している必要はなかった」んだろう、と言うのは先に語りましたが、ゲームの内容から企画や動画そのものの問題点を考えるのが目的でもあるのでこのまま行きます。


巨大氷系の企画は、動画内でも言われてましたがバラエティではわりとあるあるです。
ということで比較のためにもYouTubeだけですがざっと検索してみました。

すると、大きく二つの種類の報酬に分けられました。

 

・「氷の中に閉じ込められているもの」が報酬
→アイス、ジュース、ブランドものアイテム、1万円〜100万円の現金、プレイヤーの大事なもの など

「氷の中に閉じ込められたもの」を「ご褒美」つまり報酬としてある程度ふさわしいものが設定されているパターン。
万札凍らせて取り出せたらお金ゲット!とかブランド品とか、可愛いところでアイスとか。

取り出せたらそれはあなたのものですよ!と言う目の前に人参方式。

と言うか、そうじゃなきゃ見てる方も何を応援すりゃいいのかわかりません。

 

・「氷がある環境そのもの、または触れたり削ったり溶かしたりすることそのもの」が報酬
→炎天下など暑い環境において涼をとる、チェンソーなどで巨大氷を破壊する爽快感を得る、かき氷にして食べる、熱した鉄球で溶かすなどの実験・検証系、巨大氷という非日常アイテムへのワクワク など

氷を破壊することそのものでスカッとする!系の、でかいドリルやチェンソーを使う企画だと、報酬は「破壊行為そのもの」です。また真夏に暑いので涼もう!とかなら報酬は「暑い中涼しい気持ちになる」ことそのものです。
なので何か凍らせて閉じ込めるものはご褒美度が低くても良い。ですが今回の侍の氷柱対決はそうではありません。

あとさらに凝ったものだと、「中身のわからないカプセルが複数、巨大氷に閉じ込められており、取り出せたらその中のもの、または中のメモに書いてあるものが得られる(または、書いてある行為をしなければならない)」みたいなのもありました。
これは選択肢も広がるし、何が出てくるかによって展開も変わりそうで、面白そうですよね。
「透明で凍った中身が見える固形」という特質をよく生かしつつ、氷の冷たさはあくまでサブ性質なので罰ゲーム感も薄め。

 


はい、皆さんもうお分かりかと思いますが

「氷の中のボールを取り出せ」対決の報酬は、上記の例のどちらでもありません。

 


氷の中から取り出せと言われているのはただのテニスボールで、メンバーの中にボールがあると大喜びで庭駆け回るボール狂いがいるわけでもありませんので、取り出したところでなんの報酬にもなっていません。
手に入れる報酬としての価値はほぼありません。マジでなんでテニスボールだったのか一ミリもわからない。テニス経験者とかいたっけ?コメントのきっかけにもならん。

 

では氷を溶かす、氷がある環境自体が報酬か?というとそんなこともありません。
ただでさえ寒い冷蔵庫の中で、薄着の人間に氷柱を道具なしでどうこうするという行為、それ自体はなんの報酬にもなっていません。

 

巨大氷そのものへのワクワクを演出したいならもっと撮り方とか…舞台設定とか…演出とか…必要なので…。
というか多分そこのワクワクを視聴者に提供する気も特になかったと思う。

 

何度も言いますがやりたいのは多分そこじゃなかった。
という事がこれらの事実からもわかります。
あってもワクワクというより、ドキドキハラハラ系。

 

一応ミニゲームによって得られる報酬と、それによって展開していく状況を作ることで対決ゲームとしてバランスとってたんだと思います。
が、それなら「使っていいのは己の体のみ」というルールがものすごい勢いで足を引っ張ってんだよな。全てにおいても(これのせいでゲームにおける選択肢も消えてるので)。


そして、原則ルールだけを見た時、そもそもこのゲームは達成が不可能です。

人体だけを使って、あの氷柱からボールを取り出すには途方もない時間が必要だったでしょうし、それだけの間カメラを回していられるほどメンバーもスタッフも暇ではありません。

 

つまり、「そもそも報酬が手に入らない」よう設計されているゲームなんですよ。

とってつけたようなミニゲームに勝つしか達成及び勝利への筋道がない

 

 

クソゲー」以外の何と言えばいいんだこんなの。

ということになります。

 

 

これもまた理不尽さ…「理不尽を要求するスタッフと、従順なメンバー」という構図を演出及び強化しています。
「理不尽な目に合うメンバー、面白いでしょ」という演出だったのだろう、という私の推測が当たっているのなら、これはスタッフの狙い通り…だったんだと思う。


しかし何度も言いますが、理不尽さと面白さは別に比例しません。


理不尽さを笑いに変換するにしても、おそらく諸々技術が追いついてないし、ファンからのスタッフの信頼(この信頼とは、このスタッフならちゃんとメンバーへのフォローがあっただろうとか、視聴者に見えてないところでちゃんと安全面のことも考えてただろう、とか、この後あったかいところでケアしてくれただろう、理不尽な目に合わせ体を張らせた分クオリティの高い動画にしてくれるだろう、という“信頼”です)も、正直微妙だったんじゃねーかなと思うし(そこの信頼がちゃんとあればあんなにみんな不安がるコメント残しません)。

 

と言うかそんなもの視聴者が知り得ないんだからポジティブに忖度しなければならないのがおかしいです。動画内でフォローを入れておけ、と言う話になります。


ネットでバズってる理不尽系ハプニング動画、みたいなのは「瞬間的に始まって終わるテンポ感」が大事なので、20分近くただ理不尽な目に合う動画はちゃんと構成なり何なり考えないと割としんどい…という人もそりゃ出てきます。

ファン以外なら余計何を楽しめばいいねんな。

 


えーと視聴者にとってどうかという話が出てきたのでこのまま続けよう、ここまで「ゲームの報酬に関してこうなってる」という話をしました。

 

では、視聴者にとってはどうだったでしょう。

ボールゲットは報酬になりませんし、他に報酬らしいものはありません。ということは「勝ったところでだからそれがなんなんだ?」というゲームになってしまっていたわけです。

 

それ自体は別にいい。Jr.チャンネルの対決ゲームの半分くらいは多分そうです。

 

寝巻き企画のランキング当てるゲームとかだって、勝ったからってご褒美があるとか罰ゲーム回避とかそんなことはありませんでした(なのにきちんと企画として面白いんですよ。あれ雪上人狼と企画者同じじゃないかと個人的に睨んでるんですけどどう思う?)(脱線)。

 

ただ、「それをもとにあれこれ語ったり、メンバーの個性が出たり、エピソードトークがたくさん出てくる」という面白さ、どのメンバーのものなのか推測する楽しさや作戦・駆け引きといいものはあり、その「楽しさ」が「ゲームの報酬」「観ている人にとっての報酬」として機能していました。

 

えーと、つまり氷柱企画はゲームとしての報酬の設定がされてなかった、必然、視聴者は「どちらが勝つか」ということより、

「氷が溶けるまでのその過程において、ドラマが生まれたり、彼らの個性が出たり、駆け引きが起きたり、面白い事が起きること」

を期待します。
それこそが「視聴者にとっての動画を見る報酬」にもなるからです。

しかし、その過程には「選択肢」が徹底的に排除されていました。
ジャンケンとあっち向いてホイくらいしかねえ。


つまり、「ゲームの展開や構造によって見られる個性や素質、それにより生まれるドラマ」は排除されていました。


選択肢が無いゲームとはどうなるのかを再度見てみましょう。

 

・「やらされてる感」が出る
・どのプレイヤーがやっても同じ展開になり、個性が出ない
・戦略性がない


「氷の中のボールを取り出せ」というゲームが柱となっているはずなのに、ゲームをやっている間彼らが、個性を発揮したり、主体的な選択ができたり、それによって楽しんだり、またそういうところが観れる(=視聴者にとっての報酬が得られる)のは、

「ゲーム以外の場面」

でしかあり得ない。
という構造になってしまっている。

 


言うたらこう…企画の柱の中がスッカスカの状態で、その周りをメンバーたちが外から支えていることで、かろうじて企画として成立しているというか…

だから動画自体もそうなってしまってるんじゃないでしょうか。

 


動画や企画は面白いかと言われたらそうではない(というか楽しめない)けれど、メンバーたちが頑張って盛り上げているから、そこだけは楽しめないことはない…と言う。

 


で、それってつまり、

だいぶ限界レベルのファン向け、内輪向け動画

になってしまってますよね…。

 


しかして、なるほどでは内輪向け・ファン向け動画として割り切って楽しむために提供されているのかな(ファン向け=動画のクオリティが多少アレでも良いもの、とするのは釈然としませんが、あくまで無料コンテンツであることを考えればそう言う割り切りもアリといえばありです。折角のYoutubeでそんなもったいないことやるなよとは思うが…)?
…と思うには、それはそれで疑問点が多い動画なのも事実です。


なぜなら動画全体を見たら彼らは「困難な課題を達成したが報酬がなく、さらに罰ゲーム(私服凍らせ)を受けた」と言う構成になっています。
「報酬」という側面から考えると、だいぶ、だいぶ理不尽な展開です。マイナスからマイナスのまま終わっとる。


でな、「推しのメンバーが理不尽な目に遭って嬉しい」というファン、それが報酬になるファン、そうおらんと思うんですよね…。お芝居の役柄とかならともかくさ…。


そこが楽しめない場合、この動画において「この動画を見て得られる報酬」って、「メンバーの顔や動いてる姿が見れる」以外、無いわけです。つか下手するとメンバーが理不尽な目にあうところを見て宇宙猫になるしかないわけで、まあそうなると視聴者の報酬はマイナスに振れてしまう。


ではファンではない視聴者にとっては面白かったのか、「体を張って理不尽な目に合う誰かと、それによって起きる笑い」として届くか?というと…どうなんだろうね…?

動画のクオリティ自体がアレなのを差し置いても、ちょっとわからない…。

 

そもそも「巨大氷企画」というジャンルとしてYouTube見た時に、「それ自体が理不尽な罰ゲーム企画」であるパターン自体、そんなに多くないんですよ。
上記の通り「凍らされた報酬を得る」か「氷自体が報酬」の大体どちらかなので。

つまり、「巨大氷企画」的なものを期待して動画開いた非ファン・非オタにとっても「あれ?」と肩透かしくらう可能性のが高くない?
と思うんですけど…どうなんでしょう?

 


もちろんファン・外部問わず動画を見て「体張っててすごい」とか「理不尽に対し体張ってて笑える」という印象がを与えることも期待できます。

 

というか、制作側が狙ってたのは、おそらくこちらなのだろうと思います。

 

しかし色々な要素が積み上がった結果、そこまで狙い通りに行かなかったということなのだろうと。
そもそも動画のクオリティがやばいと言うのは構成と演出の記事でしたいと思います。いつになるんだ。すみません本当に…

 


あと暗い緑色の背景の閉鎖空間に青ジャージで寒い企画って、それだけで顔色肌色が最悪に映るコンボなので「かわいい顔面さえ見れればオールオッケー」タイプのオタクもいつも通り楽しめたかと言うとどうなんだろうなと言う気はしてます。ただでさえ一個前の企画は半分以上アイマスクしてたしなぁ…。


ーーーー

 

というわけで以上選択肢と報酬という2つの要素から、ゲームの問題点とその意図について書いてきました。

 

「罰ゲームみたいなことばっかしてる侍www」みたいな楽しみ方にしたって、その罰ゲームみたいな企画の中でもここまで全員等しく選択肢も報酬もなく理不尽一辺倒なのそうそうなかったんじゃないかな…。

罰ゲームドリンクとか激辛系とかの企画にしたって、

 

・まずどれを選ぶかの選択肢
・メンバー同士の駆け引きや個性の表出
・他メンバーに強烈な罰を与えようとした結果自分もその罰を喰らうなどの伏線回収的ドラマ
・うまくやれば罰回避成功などのカタルシス

 

とか、色々ちゃんとあったわけですし…。
そしてそれが埋もれたり、流れたりしないで、それなりに際立つ演出や構成をしていたんじゃないでしょうか。

 

罰ゲーム企画も罰ゲームを受けるメンバーと回避したメンバーがいたりして「全員等しく理不尽な目に遭う」わけではなかったりもしました。

 

というか罰ゲーム企画の場合「罰ゲームを受けるメンバーの個人フィーチャー企画」としての側面もあるので、そういう面ではプラス面もあったんですよね。例えば矢花ドッキリが矢花担にも比較的受け入れられてるのは矢花くんの性質もありますが、結果的に矢花くんフィーチャー企画になるからでもあるでしょう。
全員いっぺんに等しく理不尽な目に遭う場合、その辺のプラス面は消えます。

 

SixTONES京本大我が運動音痴ネタで一本動画撮ってましたが、あれも「京本大我一人をメインに据えた企画」としての側面がありました(し、そういうネガティブ面を見せる企画において彼が「可哀想」にならない構成でした。これは彼らのバラエティ経験値やバランス感覚、スタッフの力量も大いに関係していますが)

 

あとこれは構造の話になりますが、2週連続で通してみるとドッキリinドッキリみたいな構造してるせいでカタルシスも死んでる。


まあ、だから、罰ゲーム企画なんですよね…この企画…。
というか対決ゲームと名前つけただけの、シンプル罰っていうか…。

 

 

カタルシスの話をここからしようと思ったけど構成の記事でやった方が良さそうなのでとりあえずこの辺で切り上げます。

 

ファンはアイドルがいてさえくれれば大抵のことは楽しめるスキルを持っていますがそれにだって限界はあるし、おもんないにしてもせめてファン向けと割り切ってりゃいいのですがそうでもないので余計「一体何がしたいんだ…?」感がすごい。

まあ多分、スタッフは本気でこれが面白いと思って制作してるんですよね。スタッフの爆笑声が結構入ってるし…。
わからん、撮影現場では笑えたかも知れんが編集さんは一ミリも笑えてなかったかもしれん。

見ているだけの私たちに感知できる事ではありません。

どちらにしろ撮ってて、または現場にいて面白いと思ったものを、動画見てる人にも同じようにまたはさらに面白く感じてもらえるよう伝えるのには、それなりの技術が要ります。何度も言いますが。
と言う話は編集とか構成の記事の時に詳しくします。

 


ただ今回は、この企画におけるゲームの作りが視聴者の「いやこれの何がおもろいねんな」と言う反応を引き出すに値する、と自分が思った理由を、ゲームの内容から解体していきました。

もういっそ対決とかゲームとか半端なこと名乗らないで「罰ゲーム動画」つったら?という気持ちになります。多分本当に撮りたいの、それだろうし…。

 

ただ問題はそれだけではなく、


氷柱企画が実質「罰ゲーム動画」だとしても、またそれを「面白いコンテンツ」として世に提供したつもりだったとしても、

視聴者の一部層または多くの層が「そうは受け取れなかった」ことであり、

その理由はおそらく

 

「面白いと思ったものを面白いと感じてもらうための技術、または経験、センスなどが足りなかった」から


ではないか。

 

というふうに考えました。

 

 


というわけで次こそは構成とか演出の話ができたらいいなと思います。ドッキリの構造と構成の話を分けるかどうか迷っている…

その前にうるおい祭り(とかあと雪上人狼とか)について超超超褒め倒す記事も書きたいと思います。ネガティブな記事ばっかりなのも申し訳ないし、どこが良かったのかの言語化もしたいので…てかみんなで褒め倒し記事書きませんか(私が読みたいだけ)。どうぞよろしくお願いします。

 

 

こんな長い記事を読んでくださって、本当にありがとうございました。

何かしらの参考になったなら幸いです。

 

 

 

 

 

 

音楽遍歴ってこういうのでいいんだろうか

 


氷柱企画について1万4千字まで書いて4千字分くらいボツにしてまたアップまで遠のいてちょっとめげたので一旦ちょっとそっちは置いておいて、矢花黎推しらしく音楽遍歴でも書こうと思ってなんも考えず打ってます。いうてそんなこう…『音楽』は『ちゃんと聞いてこなかった(という自己認識でいる)』んで…まあそういう人間の遍歴です。


まず前提として私がなんのオタクかというと一番は多分「漫画オタク」ということになるんだと思う。

ごりっごりの視覚優位なんですよ。そして結構長いあいだ歌詞フィリアでした。つまり、音楽は歌詞を聴くまたは歌詞を解釈するものであって、またはパフォーマンスしてる人の姿を見て楽しむものであって、楽器のソロパートとかにあんま興味がなかったタイプ。
常にイヤホンで音楽聴いてるタイプの音楽好きには驚かれますがまじでいるんですよこういう人間って。ワハハ


一応幼少期エレクトーン習ってたんですけど、教室の待合室に置いてあった古本の「ガラスの仮面」を読むために通っていたようなところがあり、ほぼ何も身についておりません。ガラかめは名作。皆読もう。

なのでまともに音楽を聴いて好き!楽しい!ってなったのは「みんなのうた」「ハッチポッチステーション」あたりと、その頃見てた好きなアニメのOPEDあたりになるんだと思う。レイアースの「ゆずれない願い」とか、デジモンの「butter−fly」とか「おジャ魔女カーニバル」とかですね。世代。

 

逆にアニメはそこまでハマらなかったのにEDだけめちゃくちゃ印象的で忘れられない曲があって、それがコレクター・ユイの2期EDテーマ曲「レクイエム」です。
NHK教育のアニメのEDで鎮魂歌を流すという攻めたスタイルもインパクトありましたが、歌声、映像、メロディから何から、歌声、そして何よりその歌詞が好きでした。
夜から朝にかけてのそれこそ黎明に(!)、愛しい人の亡骸を前に、愛と悔恨を語りかける歌でした。
今でも大好きな曲です。

 

みんなのうた」でいうと大好きだったのはやっぱ「月のワルツ」。名作。あれもインパクトあった。

んで当時あってた「歌の大辞テン」てテレビ番組もめっちゃ見てて、その番組って、最新のランキングと数年前〜数十年前の同じ時期のランキングが紹介されるって形式だったんですね。んでそこで流行りの曲と昔の曲をたくさん聴いて、そこで懐メロ(という言葉は当時なかったと思うけど)系、ええな〜となったりしていました。
だから歌謡曲は今でも大好きだし、そのテイストが入ってるジャニーズ楽曲は本当に耳馴染みがいいんですよね。
子供向け番組でもリバイバルされてたりしたピンク・レディーとか、山口百恵とかキャンディーズとか。アイドル系はこの頃から好きやったんやなと思う。

あとは姉がゆずとか槇原敬之とかPUFFYとか聴いてたのでその辺も耳には入ってきてました。「夏色」とかな。

 

しかし全体的にがっつり音楽、というにはあまり縁がない小中学生時代でした。漫画読んだりアニメ見たりに忙しかったんだけど、いわゆるオタクの中でも音楽ほぼ聞かないタイプだったなあ。ここで音ゲーに出会った人(それこそ矢花さんみたく)は、音楽オタの道に行ってる子多かったんだけど、ゲームと縁遠かったねんなー。バンド系やアイドルにもそこまで。

 

ただパソコンは、というかいわゆる“インターネット”は身近な存在でした。個人サイトも2chもそのほか掲示板も色々見て書き込んでオエビでマウス絵を描いていた。世代。

 

音楽に縁遠い、とはいえNARUTOいきものがかりの「ブルーバード」に感動したりしてました。んでこれはだいぶ成人してから水野さんのエッセイ読んで思ったんですが、私は普段ほぼ音楽を聴いてなかった分、こう、覚悟キメてポピュラーミュージックをやってるアーティストの楽曲が真っ直ぐ刺さるタイプなんだろうなと思う。星野源とかも刺さる。

そしてBUMPがドカーンってなった世代でもあるのでその辺も好きでした。友人の家で曲聞いたりMV観賞会したりしたなあ…。
「K」「ラフメイカー」「ダンデライオン」あたりにワーーーなんじゃこれ!!好き!!と感動したんですよね。もちろん「天体観測」もすごく好きでした。
あと藤くんのビジュアルがド好みでした。昔からほんと細い男が好き。

 

音楽番組は基本見てたので流行りの曲はふつーに知ってる、くらいの人間でした。

音楽好きな友人の存在もあって色々聴かせてもらうものの、それでもやっぱ音楽を聴覚だけで捉えるのは本っっっっ当に苦手でした。MVがあればギリギリフルサイズ聴けるとかいうレベル。ただ歌詞カードを読むのは大好きだったし、音楽番組も好きだし歌うのも好きでした。音楽番組で出演者の衣装や髪型、振付や演出を細かく見るのも大好きだったし。

 

んでえーと確か…多分…中学後半らへんでKAT−TUNの存在を知ります。

 

所謂ごく出なんですよ私。ごくせん出身!永遠の新規!亀梨くん担当でした!!この辺からジャニオタになって行ったんですよね…。金なかったから茶の間だったけど高校入ってジャニオタ友達できてからはたまーに現場行けたりした。

海賊帆のDVD見てカッコよさにブチ抜かれましたよね!!!大光がランキングで出してたKAT−TUNライブまじわかるわかるわかるrとなっていた。かっっっっっこいいんですよ!!世界観の構築にものすごいこだわってて、トンチキもあるけど天井席まで楽しい演出もすごい。
「GOLD」「愛のコマンド」「ハルカナ約束」シングルだと「YOU」「LIPS」が好きでしたね。

 

そこからyou &J(KAT-TUN、NEWS、関ジャニ∞の3グループはFCが一緒だったんですよ)に興味が波及します。1グループ好きになったら自動的に他のグループの知識も入ってきてなんとなく好きになったりするジャニオタあるある。で、もともとわりと好きだな〜くらいの温度感だったYaがJUMPデビューの際に解体されるのを見て当事者でないながら怯えるなどしていました。この数年後JUMP担になってメンタルぐちゃぐちゃになるなどしますが音楽の話にはそこまで関係ないので割愛します。

 

相変わらず歌唱以外の楽器の音に関しては何もわからん状態でしたし、そもそもあまり強い興味が持てないし、歌やダンスの巧拙もさっぱりなためネットでしょっちゅう勃発する「誰がダンスうまい下手/歌がうまい下手」戦争が一切理解できませんし参戦できませんでした。せんでええそんなもんと今は思うし、別に好きならそれでいいじゃんと今でも思います。


ただ、表現者を前にしてその巧拙が理解できないのはそれなりにコンプレックスではありました。基準がわかんないしね…。上手けりゃ好きになるわけでもなかったし。

 

それでも「歌がうまい、すごいってこういうことなんだ」って何もわからなくても理解させられたのが手越祐也と増田貴久のテゴマスコンビであり、渋谷すばるでした。あと長瀬智也

 

KinKi Kidsの二人の歌のうまさに気付くのはもうちょい後かな…。
歌を聴いて震える、という体験を初めてしたかもしんないなと思います。特に渋谷さんの歌声は。

ダンスに関してはそれからさらに後に大野智のソロを見て度肝抜かれて、って感じだったかな。

 

そしてジャニーズにハマったことで「様々な楽曲を大量に、かつしっかり聴く」みたいな経験が、たった数年でドドドッと蓄積されていきました。これは結構大きかったと思います。やっぱ数をこなすのは大事だなあと今になって思います。
何より「強い興味を持って聴いた」のも大きいですが…とにかく、音楽を聴くということに対する経験値がここでガッと上がりました。

 


そして私がインターネット老人会の人間であることを考えると大変妥当なことに、ジャニーズと並行して、ボーカロイド楽曲にもどっぷりハマりました。

 

高校あたりで確かニコニコ動画が出てきたんだっけか、んでボカロ黎明期に色々聞きまくるようになってハマったんですよね。しっかり調教したものより機械音声丸出しの方が好みでした。
米津玄師がハチの時代から好きだった、てやつです。「マトリョシカ」「パンダヒーロー」を初めて見たときの衝撃ったらねえよ!!!
カゲプロもインパクトありましたし繰り返し聴いてました。矢花くんわかるわかるよ。年齢的にパーカー着てメカクシ完了は流石にしなかったけど中高生だったら絶対してた。
時代前後しますが他に好き!てなってたのは「ハロ・ハワユ」「インビジブル」「ワールドエンドダンスホール」「弱虫モンブラン」とか

 

この頃もまだゴリゴリの歌詞フィリアなんですけど、ちょっと変化が訪れてます。

「踊ってみた」にハマっていろんな踊り手さんを見てたんですよ。で、その中でなんとな〜く「リズム」という概念の存在を理解し始めたんですよね。
いま思い返すと、という話であって当時はそこまで自覚はなかったですが…。そして理解はほぼできてない。存在する意味を一瞬感じ取れた…かな…?くらい

いやだって4拍子とか3拍子のワルツとか、どっちも同じやんけとしか思えなかったんですよ!!意味がわからなかった。手を叩いてだからなんだっていうんだ?というレベル。


だから高校で音ゲー廃人の友人たちに混ざりたくてゲーセンについてってポップンとかやってみてもまあ全っっっ然できないんですよね。笑えるくらいできない。歌唱のメロディラインとかわかりやすいクラップとか以外全然捉えられないの。「音楽ちゃんと聴いたらわかるよ!」って言われても「“ちゃんと聴く“とは!?!?!?!」となっていた。10年以上経ってようやくあの言葉の意味がわかった。人生…

 

私がリズムというものを理解できるようになるには、二十代後半でハロプロにハマって「16ビート」という概念を知るまでかかります。

 

ハロの話が出たのでハロの話もしよう。ジャニーズからアイドルにハマったのもあって、だんだん女の子アイドルにも手を出し始めたんですね。ASAYANは姉がハマって見てて第一次全盛期つーかそのへんは知ってたしAKBの台頭も見てきたけど、そっからさらに、えーと時代的にももいろクローバー東京女子流スマイレージがセットで語られたりしてたのを興味持ってさらに掘ったりし始めました。
その後BABYMETALに衝撃を受けてマジ売れて欲しくて音楽好きの友人に布教しまくるなどしました。

3グループに関してはそれぞれ「いくぜっ!怪盗少女」、「鼓動の秘密」、「夢見る15歳」にそれぞれインパクトを受け、好きになりました。

怪盗少女は本当にすごかった…当時なんの知識もなかったので何がすごいのかもわからないままとにかく好きとしわかりませんでしたが、めちゃくちゃキラーチューンなのは理解できたしMVも素晴らしかったんです。

見ててとにかくハッピーになれた。

リア充陽キャばっかのバイト先の飲み会の二次会で空気読まずに歌ってドン引きされながら布教するなどしていました。いやでも「これ知らんけどいいねー」みたいな反応してくれる人は当時からいたし、このときドン引きしていた友人のうち一人に数年後ももクロが紅白出た際「ももクロめちゃくちゃエモくて全力でマジ好き。あんたが昔カラオケで歌ったときはドン引きしたけど最近良さがわかった」と言わしめたりしてて、ももクロ陣営は本当に凄いと思います。


音楽に限りませんが、ももクロ陣営のプロデュースは(時代とハマったのもあるだろうけど)すごく考えられていて面白いです。クソみたいなこともまあしてましたけど売れるなりの背景を感じて面白かったです。なんかももクロのプロデュースについての評論本読んだんですよね当時。タイトル思い出せたらリンク貼ります。あれ面白かったしアイドル運営とファンコミュニティについて考えるヒントにもなって興味深かった。

 

で、スマイレージ東京女子流は音楽からというより、ビジュアルから入りました。スタイルの良さとMVのクオリティから入ったっていう。
そしてこれは歌詞フィリアあるあるですが、「歌詞が好みじゃないと楽曲そのものに興味が持てない」ため、この辺はさらっと、という感じだったんですよね。
歌詞でいうならフェアリーズやE−girlsの方が好みでした。あとperfume

この辺でアイドル現場のコール文化に触れています。PPPHとかね。これも今考えたらリズムという概念に触れる一歩だったなあ、と思う。

 

で、楽曲以外の部分でアイドルを追っているうちに、スマイレージ2期オーディションの動画にたどり着いたわけです。

そこではオーディション生が、鬼のように怖い先生に16ビートを叩き込まれる姿がありました。この時点で何やってるか私は全然理解できてません。足踏みしながら手は腿を叩くということを延々しているんだけどまじ意味わからんし、オーディション生も全然できない子がいて泣いたりしていた。

で、ハロプロもジャニーズ同様一個のグループに興味持ったら他のグループも目に入るようになってるんですね。

で、どこのグループでもいうわけです

 

16ビートだ、16ビートが大事なんだと。

 

相変わらず歌やダンスの巧拙には疎いままでしたがその言葉やパフォーマンスが私の中に時間をかけて染み込んで行ったのだと思います

 

そしていろいろあってジャニオタやめてた私は関ジャニ∞をそれでもたまに見かけたら見るくらいの温度感で居て、そこから「関ジャム」をたまに見るようになり、この番組は理論的に音楽を解説してくれるめちゃくちゃありがたい番組なんですけどそこで「ハロプロの16ビートとはつまり何で、楽曲のどういう部分にそれが作用しているか」ということまでちゃんと解説してくれました。
あの番組本当にありがたい…ありがとうございます…。

 

そして楽曲制作そんな感じなんやなあとかこだわりとかおもろいなあとか知識が増えて楽しんでるところに、つんく♂が「リズム天国」というタイトルからモロやんけというゲームの開発にかなり深く関わってることを知り、気軽な気持ちでゲーム実況動画を検索。

見ました。

 

そこでようやく、本当にようやく、ここにきて「リズム」というものが、初めて明確に、「わかった!!!!!!!」てなったの!!!!!!!

 

いやそこなんか楽曲とかじゃなく「リズム天国」なのかよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

と自分ですごいなんかこれなんですかね、複雑な心境になりましたけどいやでもそれだけリズム天国が「リズムを理解する」ために丁寧に丁寧に動線引いた作りになっているということでもあるんだよね。

リズムのリの字も知らんとこから初手アーケードのポップンとか弐寺とか、いきなりレベル高いところに行きすぎたんですよ。まずはリズム天国を買え10代の私。

 

これは音楽遍歴に見せかけたリズム天国ダイレクトマーケティングです。嘘です。結果的にそうなっただけです…。

 

ハロプロの楽曲聴きながら16ビート刻んだりメンバーの動きにリズムを感じて心地よく楽しんだりしてるの、ここまできたかあとなんか感慨深くなったりしています

 

 


歌詞フィリア気味なのは変わらないんですが、昔よりずっと歌唱や歌詞以外の部分を楽しめるようになったなあと思います。

ここ最近は矢花くんのおかげでバンドの音を聴けるようになってて、あれですね矢花くんって他のバンドサウンドより多分明確にベースの主張がでかいっぽいんですよね(とバンドに詳しい人が言うててなるほどな!?となりました。関ジャニの丸ちゃんとかJUMPの光くんはもうちょい縁の下の力持ち感あった)。
だから他のバンドでベース音聴こうと思っても全然追えなかったりするのに、侍の矢花くんのベース音はなんとなくわかるっぽいんですよ私。
侍の楽曲を聴く→Island TVでベースラインだけ、リズム隊だけなどの音源を聴く→また曲を聴く、みたいなこと繰り返してるうちにですね…なんか聴けるようになった感じがするんですよね。
JUMPや関ジャニでバンド見てた経験も多少反映されてるのかな〜。

 

あと侍の前にSixTONESの田中樹くん好きになってるんですが、そのへんでそれまでなんのこっちゃだったHIPHOPやラップがちょっとだけ「わかる」ようになった、と思います。

で、これは「ここだけ」では多分わかんなかったんですよね。

冒頭で漫画オタだと言いましたが、このころ私が読んでたものに「change!」という、古典に造詣が深い女子高生がラップに出会ってラップバトルやる漫画なんですけどこれ読んで初めて私「ラップ」とか「ラップバトル」を理解したところがあるんですよ。
面白いのでおすすめです。終わっちゃったけど。

音だけでこれを理解するのは絶対無理だったのでまじでこれは「漫画」であることが大きかったです。下手するとバラードの歌詞ですら耳だけで拾えない人間ですからね俺は。視覚的かつ言語によって解説されてかつ面白かったのでするする入ってきたんですよ。

んでそれと「ヒプノシスマイク」の登場によって一気にラップやヒップホップがなんとなく「わかる」「楽しめる」ようになってきます。ヒプマイのMV、歌詞が出てくるから…。後この辺でR−指定の曲聞いてあーいいなーとかね。

 

日本のヒップホップ文化やディスリスペクトという概念自体には飲み込めない部分はあるものの(発祥の地で大事だったはずの部分を削ぎ落としてローカライズした弊害を直視しないままなのが引っかかっている)、そこにアイドルという文化を組み合わせることでまた違うルートを見せてくれるのはすごくありがたいな〜と思います。

これは日本のアイドル文化においてすごくいい部分だよなと。こう入り口になるというか…BABYMETALとかもそうですが。
あと櫻井くんはすごい。

 

あとSixTONESの楽曲はクラブサウンドっぽいというのか、聴いてると体を揺らして踊りたくなるような楽曲が多いのもいまSixTONES好きな理由かもな〜と思います
歌詞ももちろんいいけど、ボーカルなしでも聴けるなあこれ、と思えたのはSixTONESが初かもしれません。

 

リズムとか楽器の音とかがわかんなわかんない言ってた頃も、ダンスというか音楽に合わせて体を動かすのはわりと好きだったもんな。歌うのも昔から好きだったし。小学校の屋上の踊り場で放課後延々「もののけ姫」を歌う子供だったし。一人で。声が響いて気持ち良かったので…。この頃は音楽わからないって感覚そんななかったかもなあ。

 

それでも「音楽わからない」という強固なコンプレックスがずっとうっすらあったのは、それだけ私にとって音楽が何かこう、「わかってる」と「かっこよくて、センスがいい」ことだったからかなーとは思う。そういう人間になりてー、みたいな憧れ。
仮にも芸術かじってる人間なのに音楽わかんないのダメかな…みたいなのもあったかもな。ゴリゴリの視覚優位だからこそそっち行ったんだから別によかろうに、といまなら思えるけども。周りが音楽好きばっかだったのもあるかなー。みんなの仲間入りしたかった気持ち。

 

でもそういうのが音楽に興味持っていっぱい聞いて知識を得て聴いてわかる!!!!!とアハ体験してを繰り返して10年経って溶解しつつある、というのもまた人生だなと思います。

 

それもまた人生。ジェシーいいこと言う。

 

 


音楽遍歴ってこういうのでいいんだろうか…わからねえ…となりましたがとりあえずこの辺で締めます!!


最後に最近聞いて爆笑しながら好き!!!!となった楽曲貼って終わ理ますね。矢花くん絶対好きだろうからどこかでカバーしたりしてくれないだろうか…(無茶いうな…

 


www.youtube.com

 

 

 

侍Tubeサムネから見る動画の方向性の伝わらなさとその原因分析

 

構成の記事が一生書き終わらんのでサムネの話を先にします。

7 MEN 侍のYouTubeサムネイルはちょっと前までそこまでひどくなくて(少なくとも青春企画くらいまではまだもう少し良かったんじゃ?と思う)、だんだんアレ?みたいな率が上がって、で件のこれ

youtu.be

で決定打になったと思う。


で、私はこれに「もったいない!!!!」となったんですよね。

サムネイルの良し悪しは動画や企画の良し悪しも反映されてる部分あるし、サムネからこの動画の何が良くなかったのか?もなんとなく見えてくると思います。

 

これ書いてる人間は何者かというと、デザインを勉強した経験があってそのあと独学や趣味の範囲でちまちまやりつつ動画と写真をちょっとかじったことがあるとかそのレベルのにわか素人です。
侍のサムネ見て「なんかうまく言えないけどサムネが良くない気がする」と感じている人たちに「そう思うのも無理はない要素があるので、その感覚自体は否定しなくていいと思う」というためにこの記事を書いています。
ファンが「楽しめなくてごめんね、意図通り受け取れなくてごめんね」とか思う必要はない。ファンが製作側の意図通り受け取れないだけの理由はあります。
サムネ見てそう感じてしまうだけの原因と根拠がありました。

 

そしてそれは7 MEN 侍のメンバーの頑張りを否定するものではありません。
むしろ「あんだけメンバーが頑張ったのに、それを無碍にするな」と怒っている文章でもあります。
出来上がったものにケチつけるのは誰でもできると言われればそれまでですが、ファンが楽しめなかったことを「見てる側の感性の問題」と切って捨てられるものではないです。という話をします。

 


分析するサムネはこちら。しかしこのサムネ、ファン以外の人が見てクリックする要素ほぼねぇな…



過激な企画は外部向けであってファン向けではないのでは?という意見も見たのですが、なら余計にサムネイルやタイトルはきちんと計算して作らないとじゃないかな…。

内輪向けで終わってしまう動画でありサムネイルになってしまっているのに「ファン向けではない」はただの逃げ口上ですよ。


こんぴーかわいいね。…(しばらく見つめる)…さて行きましょう。


意図に合わない構図

 

はじめに構図から見てみましょう。

構図を考えるにあたってまず簡略化します。

すると、このサムネは3つのエリアに分けられます。

①上部キャッチコピーの赤いエリア

②緑のメイン・背景エリア

③メンバーの青いエリア

 


これだけ見るとそこまでひどい構図ではありません。これだけ見れば。
ちょうどよく似た構図で成功例だなと思うサムネが流れてきたので参考に出します。
先輩はやっぱりすごい。



上部のキャッチコピー
中部の背景(メイン)
下部のメンバー

という構成は同じです。
でも先輩のはどんな動画なのか、つまり
・何と誰が出てきて、
・何をする動画で、
・どんな展開の動画なのか?
が、すごく伝わりやすいと思いませんか?
その上フード企画はファン以外にもわりとクリックされやすい動画だしね。なぜならメンバーのことを一ミリも知らなくても見やすいので。

なぜこの差ができたかを解体していきます。

 

構図というのはいろんな種類とか機能とかあって、用途によって使い分けることができます。100%この通りに見た人に伝わる…というわけではもちろんありません。

しかし、こういうのを駆使することで、より多くの人に伝わります。

 

赤い色が塗ってありますね。そこが「目立つポイント」だと思ってください。
見てる人の目が自然といく部分です

で、今回のサムネは、青いチェックの入った構図が見て取れます。

 

 

日の丸構図、三角構図、閉塞感のある構図の三つです。
なぜ日の丸かというとメンバーの配置が絵でいう「額縁」の機能を果たしてしまっているからです。作った側はそうする意図はなかったかもしれないけど、そうなってしまっている。


すると、自然と見ている人の目線は中央に寄せられます。

つまりこういう構図になってる。

文字でかく書いちゃったので文字の方に目がいくなこれ。すみません

ええと、つまりこの構図は


まず中央〜三角内に目線が行き


その次に文字に目線が行き

最後に「額縁」となってしまったメンバーに目がいく


という機能を持ってしまいました。

つまり、

「中央にドーンと動画のメインになるものが置いてあれば、めちゃくちゃいい構図となりうる」

構図なんですね。
だから先輩のサムネではこれがしっかり機能していました。

侍のサムネを見てみましょう。

日の丸と三角の中に注目が集まります。

 

 

で、そこに何があるかというと



何もない。

 

嘘だろ!?!?!?!??!

かろうじて入ってるのがこんぴーのかわいいお顔ですが、小さい上に目線が下向いています。ひどい。人物の目線というのは見ている人の視線誘導という意味でも機能してしまうので、余計どこ見たらいいかわからんことになっています。これでこんぴーの視線の先になにか意図して配置してるならまだ良かったのですが、その先にいるのは大光くんと背後に重なってよく見えないけど氷柱があります。どうしろと。(ここまで一息

 

多分これメイン(中部)に「二つ並んだ氷柱を、範囲が許す限り大きく配置した」が故にこんなことなってんですよね。
ちなみに氷を抜き出したらこんな感じなのですが

 

こいつはひどい。

メインが左右にあってどこ見たらいいのか全然わかりませんし、背景と色味が似てるのとメンバーに被っているののダブルコンボで余計伝わりづらくなっています。


つーかそもそも「氷柱二つ並んでるの見ただけじゃ動画内で何やってるかさっぱりわからん」ということに、スタッフは思い至る必要がありました。

 

そして背景もせめて桜並木とか、雪景色とか、動物園とかこう…コンテンツ性の高くてわかりやすい背景だったら「この動画の舞台はここですよ」「この動画ではこういうコンテンツが楽しめますよ」というアピールになります。


が、そこにあるのは「冷蔵倉庫の壁」です。ドアでもいいが。


ぱっと見のサムネでここが「冷蔵庫の中」だとわかる人がどれだけいるでしょうか。分かる人のほとんどは一個前の動画で予告見てるからじゃないかな。

予告見てる前提のサムネ。

ここですでに「内輪向け」になってしまっています。

「でっかい氷柱」というだけで知らん人でもワクワクできる要素にならなくもないのに、ぱっと見のサムネで全然伝わらないんですよね。
ものの大きさを伝えるのにも、工夫が必要です。

 

次。

 

顔と目線の話+アイドルのチャンネルだって分かってる?

 

こんぴーのお顔が中央にあるので、やろうと思えば「メンバーがめっちゃがんばる動画です」「メンバーが大変な目に合う動画です」「こんぴーがどちゃくそ楽しそうな動画です」みたいなのをメインに伝えるサムネにすることもできなくは無い。
でもそうはなっていません。

分析していきましょう。

 

「人物の顔」特に、正面に近い顔、画面のこちら側を向いているものは、構図に振り回されず、見た人の目線をガッと引っ張れる要素です。

サムネを見てみます。

 

 

小さい、ですよね…。
これでは構図に引っ張られ、メンバーの顔に目が行きません。
あと、一番体まで写ってる中央のメンバーが棒立ちで、目立たない端っこでおもろいポーズしてるメンツがいます。逆だろ。こんぴーが他のポーズしてる場面とかそんななかったっけ?

 

あとどんな表情してるかもよく分かりません。


この人物(メンバー)が、驚いてるのか、思案しているのか、笑っているのかもよくわからないから、ぱっと見て「どんな展開になる動画なのか」も分かりません。
みんな大きく笑っているわけでも、泣いてるわけでも、かといって撮影を忘れるほど何かに熱中しているというふうでもありません。辛うじて大光だけは大きな表情です。大光はえらい。ただ1人だけそうなのも混乱を招いています。それぞれみんな方向性の違う表情なら「カオスな動画です」という方向のアピールにもできますが、そもそも顔の比率が小さすぎるので…


というか6人中3人はほぼ顔が見えません。

 

で、「人物の目線」です。人物の目線によって「注目ポイント」を作ることができます。
逆に言えば、「人が何かに視線をやっている」場合、「その視線の先」に見ている人の視線が集まります。意図せずとも、集まってしまいます。


視線の先には何があるでしょうか。

 

 

また中央に注目が集まるようになってる!!!!!!!!!!


何も無いのに!!!!!!!!
嘘だろ????!?!!!!!

構図と視線という二重の要素で「中央に視線を集める」ようになっている画像の中央に「何も無い」んです。

「このサムネ見て何をどう受け取ればいいんだよ」と思ったあなた、あなたは何も間違っていません。このサムネは「一番伝えたいことを置くべき場所に、何も置いていない」のです。

 

そしてこれ、動画の内容にも言えることなんじゃないかと思います。

「この動画で一番伝えたいことは何か」というテーマ、方針そのものが「空白」になっている。
少なくとも、見ている人にそう伝わってしまう。

メンバーに注目が行かず、額縁になってしまっている原因の一つは、そもそもメンバーに注目がいくような画像選択も配置もなされていないからです。
そしてそれはメンバーそのを「メンバー以外の他の何か」へ注目させるための装置にしてしまっており、しかしてそうまでして見せたいはずの「他の何か」の位置には「何もない」のです。

なんかもう怖くなってきたんですけど、次行きます。

 

 

キャッチコピーが無意味

 

サムネにある文言について。


「史上最大のドッキリ&アクシデント」
これ、「何も言っていない」に等しいです。

 

「史上最大の」みたいな文言は過剰なコピーとしてよく使われます。「神回」とかもそう。目を引くためです。でもだいたい大したことは起きてない(特にファン以外の人にとっては余計そうでしょう)。なのに目を引くために使うと、どんどん安っぽくなって見向きもされなくなる文言です。
そもそもYouTubeのアイドルチャンネル、かつ内容を汲み取ることが困難なバラエティ企画サムネで「史上最大の」とか言ったところで、非オタにとって「大したことは起きてないだろう」と推測するのは容易いです。


史上最大の〜とか言いながら、サムネにはそれに関しての情報も特にありません。

誰かが驚いたり、大きな反応をしてる写真なわけでもなく、また背景に並んだ氷は動と静で言えば静の画像ですのでここからどうなるのか予測するのは難しいし、そこから何を読み取ればいいかもわかりません。

つまり、外部に向けてのアピールになっていません。

そもそもたった3ヶ月前の青春企画のお化け屋敷サムネでも「史上最大のハプニング」というキャッチコピーを使っていました。史上最大を乱発すな。

 

「ドッキリ」も対象になるのが「誰」か、「どんなドッキリ」なのかわからない。
ドッキリというのは視聴者に対して「事前に、誰にどんなドッキリをやるのか明示する」ものです。
そうすることで初めて、視聴者はドッキリ動画を楽しむことができます。ドッキリ番組とかもちゃんとそうしています。ネットのバズり動画を垂れ流す番組とかは意図が違うのでまた別。

 

ドッキリGPとか、ドッキリの内容をドッキリ映像を流す前にしっかり手間かけてやってます。そうする必要があるからです

 

少し構成の話をしますが、この動画、「何が起こるかは視聴者もわからない」構成だったんですよ。
ドッキリにかけられたのはメンバーだけでなく、視聴者もなんです。


ドッキリは誰にでもかけていいものではありません。バラエティの中でやるから成り立っています(厳密にはドッキリの性質や番組のコンセプトなどにもよるけど)。なのに視聴者に対してこれをやった。
のめり込んで見ていたファンの一部が愕然となったのも当然です。視聴者に対してもドッキリやってるんですから。


そんでそこまでメンバーに興味がない人の場合、知りたいのは「どんなドッキリをやるか」一択です。そこが伏せられている動画に興味を持てという方が無理です。


つまり、内輪向けであり、かつ、なのに内輪(ファン)にネガティブなドッキリを仕掛けています。器用なことしてんな。
自分がネガティブなドッキリかけられて楽しめる人、そんな多くないです。別に視聴者の服が凍らされたわけでもないのに…と思うかもしれませんが、ファンにとっては自分の服なんかより推しの服凍らされた方が100倍嫌って人もいるよ…。特にアイドルは…。
ハピバとか新曲発表とかの、ポジティブなドッキリならまだしもね。

 

そして「アクシデント」という文言です。「アクシデント」つっても「そもそも何をやるのか」がわからないので、メンバーを知らない人にとっては「アクシデント」にも興味持たせるのは難しい。
アクシデントというのは「何かをやっていて、その中で起こる障害」です。アクシデント単体では人の興味を引くのはとてもむずかしい。

前提として「どういう場面で」「何をしていたら」あたりを提示しないと難しい。


だからそもそも写真なりキャッチコピーなりで「氷柱からボールを取り出す対決をするよ」ということ、せめて「対決をするよ」か「氷柱を溶かすよ」のどちらかが伝わらなければいけませんでした。
その上で「すると危険なアクシデントが!」という形にしないと、ファン以外には興味の持ちようがありません。

ここでも、内輪向けです。「メンバーが、どんなアクシデントに見舞われるのか」が気になったファンしか興味を持てません。

 

次。


キャッチコピーやタイトルと写真がちぐはぐ

 

そもそもの話、このサムネのキャッチコピーにも、タイトルにも、ぱっと見て分かるところに「氷」「対決」とかの文字がないんですよね…。写真に氷を大きく配置したから大丈夫!なつもりだったのかもしれませんが…。


ゲーム自体の完成度も酷いのですが「端的に説明できない」というところからもアレさが分かります。「大きな氷柱からボールを取り出す速さ対決」とかしか言えない。

もうちょっとゲームとして詰めてれば「発掘ゲーム」とか「宝探しゲーム」とか、夏の暑い中やれば「夕涼みゲーム」とか言えたかもしれない。
でもできない。きちんと詰められていないから。
だからタイトルやキャッチコピーにもうまくできない。ゲームそのものよりそれがアクシデントにより破綻したことを押し出し、なんならタグでネタバレしています。

というか

#私服ドッキリ は「ドッキリ」の「フリ」なのに

#氷柱が倒壊 は「アクシデント」の「オチ」っていうとっ散らかりぶりもすごいな

 

とすると、一番の目玉はおそらく「私服を凍らせたドッキリ」だったと推測します。

だから氷柱対決は最初から展開が分かってしまっても別に良かった。タイトルもドッキリについてですがタイトル見ただけでは結末も展開も分かりません。

というかドッキリの内容は事前に明示しないのに、アクシデントの内容はタグでネタバレしてるのに気づいて「そっちじゃない…」となりました。まあタグはそもそも表示の仕方によって1度も目にしない人も多い部分なんでここを基準に考えるのもアレなんですが…。

 

そしてタイトルですが、キャッチコピーと同じこと書いてあります。なぜ?!?!大事なことだから?!?!?!?!前述した通り「何も言っていない」タイトルです。

タイトルからもキャッチコピーからも動画について何も分からない上に、かろうじてファン以外の興味も引けそうな文言「Tシャツって立つんですよ」は後ろにあるので場合によっては表示を省略されます。「ハプニング&ドッキリ」の方を省略せえよサムネに入れてるんだから。

ともあれ「Tシャツが立つ」のは「凍らせたから」です。つまりタイトルも私服凍らせドッキリと、それに対応するメンバーを示唆しています

 

さて、この動画の一番の目玉はおそらく「私服を凍らせたドッキリ」なのだろう、と推測しました。

 

ここでサムネイルの構図の問題を思い出しましょう。サムネイルは中央に注目を集める構図でした。
そして中央にあったのは冷蔵庫の背景。
おそらくメインに持ってきたかったのだろうと推測できるのが「二つ並んだ氷柱」でした。



噛み合ってない。
ちぐはぐなんですよ。おそらくドッキリが本丸なのに、氷柱対決がメインかのような配置。

しかも結果的に氷柱にも注目が集まらない配置をしており、氷柱に注目させることにも失敗している。
サムネは氷柱がメインたろうとしているのに、タイトルはドッキリを示唆している。


企画だけでも、方向性も見せたいものもとっ散らかっているんです。


つか二段落ちの構成やるならもう少しちゃんとせえという話です。

 

で、本来、本来ですよ、このチャンネルのバラエティ動画で「1番見せたいもの」は「メンバーの魅力、面白さ」、より外部アピールするなら「バラエティの力量」のはずなんですよ。


ドッキリでもハプニングでもなく、「それに対するメンバーの反応、対応」がメインのはず。

 

メンバーを映えさせるための企画であるべきなんです。アイドルが主、企画が従。

メンバーの知名度を上げるために非オタからも目を引く過激な企画をしたのなら、ぱっと見てどんな企画か、いかにその企画が刺激的かをアピールしなくてはならなかった。
企画は多少アレでもメンバーの反応が良かったので面白い動画になった、というのなら、メンバーをもっと押し出してアピールする必要があった。
方針がとっ散らかっている。それがサムネからも分かる。

 

そのとっ散らかりぶりが分かる要素が、サムネにもう一つあります。

 

 

ファンサービス的な要素が後回しにされている。

 

ファン向け要素、つまり「企画がどうであれメンバーが出てさえいればきっちり楽しさを見出せる層」に対してのアピールが、「一番注目を集めない部分」に配置されています。
つまり一番端っこ、三角構図の注目ポイントから一番遠い場所です。

これ構成の段でも話すんですけど、メンバーが企画の趣旨から逸れて可愛いとか面白いことをしているシーンを「20秒の小窓」で流したことに繋がってると思うんですよね。
私あれ「それを本編で出さんかい!!!!!!!!!!!!!」ってなった。あんだけ内輪向けの構成と編集しておいて、まさかファン向け企画ですらないつもりなのか?と。

 

そして妙齢男子の腹筋や、密着して仲良さそうな様子、チームで協力する様子、わちゃわちゃする様子などは、わりとファン以外の目も引ける要素です。だからサムネに無理くり入れたのかな?とも思うのですが、どちらにしろとっ散らかる原因になってしまいました。

それならそれをメインに持ってきて「男の子たちが脱いだりイチャイチャする動画です」くらい割り切ったサムネにする方がよっぽど人の目を惹きます。

 

この企画は外部向けではありません。そうなっていません。外部向けではあり得ないサムネイルであり、内容構成になっています。
しかしてファン向けでもありません。ファン向けではあり得ないサムネイルであり、内容構成になっています。


どっちも取ろうとしてどっちつかずになったのかもしれませんし、そうでないかもしれません。見てる側が感知すべきところではない。


だけど見てる側が混乱したのは、見てる側の感性の問題だけでは決してありません。

 


まとめ

サムネイマイチじゃね?と思ったあなた、あなたは別に間違ってるわけではありません。

構図も要素も写真も配置も全て「そう思うのも仕方がないサムネ」でした。

 

念のため言いますが、だからといってこのサムネ最高!という人の感覚を否定するものではありませんよ。

ただ「良いか悪いかは見る人によって違うんだから」という言説にも限度があるという話です。じゃなきゃデザイナーやアーティストという仕事は成り立ちません。

 

で、

A、この動画で一番見せたいのは「氷柱」「ドッキリ」「アクシデント」でありその過激さであり、メンバーの魅力は後回しだったのではないか。
→企画意図、方針の問題
しかしてその一番見せたいものも、外部向けに伝わらない、興味を引けない構図になっていた。
→内容、構成、演出の問題

または

B、この動画で一番見せたいのは「メンバーの魅力」「面白さ」だったが、それが伝わらなかったのではないか。
→内容、構成、演出の問題

の、ABどちらかがこの企画にはあったのではないか。
という結論になります。

 

少なくともこの動画のサムネイルは、そう捉えられるだけの要素で構成されていました。

なんだろうね。なんだろうねというか


・動画の内容、方針(やりたいこと、見せたいもの)が統一されず、とっ散らかっている。
・または「動画の方針(やりたかったこと、見せたかったもの)」と「実際にできたもの」が噛み合ってなくてちぐはぐ
 =技術か、人員か、時間か、経験か、予算か、どれかまたは複数が追いついていない


らへんに収束するんだろうな〜とは思うんですけど。

でも見てる人にそんなもん関係ないんですよ。


しかし一個前のサムネ見るとだいぶマシですよね。やっぱスタッフが2部構成つーか2段落ちの動画を扱いきれなかった、という話なんじゃねーかという疑惑が濃い。

珍しい長尺めの動画でもあるし。

15分超えたり2段落ち構成自体珍しめだよね。色々実験してるのかなあ…

 


余談。

単純にジュニアチャンネルができた頃とは状況がだいぶ変わって「ジャニーズがYouTubeを!」という物珍しさから見てもらえた時期、動画がまだ少ない頃のボーナスタイムは終わってしまって、その貯金がなくなる瀬戸際で、その前に動画のクオリティ自体を上げることでファンや再生回数増やさないとって段階にきてるんだろうなと思う。

そういう意味でもハードルは上がっているんだと思う。

 

んだけど、そもそも初期のストとか見ても、今見てもシンプルに面白い動画多いんですよね…すでにクオリティそこそこ高い…スタッフも有能だったんだろうけどメンバーもうまい
KYゲームが内輪ネタで終わらないできっちり面白いの、めちゃくちゃすごいよ。すでに10年外部バラエティで育ってるメンバーがいるとか色々条件は違いますけどもちろん。


SixTONESをジャニーズではなくおもろい男子グループYouTuberだと思ってた視聴者がいたっていうの、分かるもんな…
樹くんがアドバイスしたいって言ってたのでマジアドバイスいっぱいもらって欲しい。田中樹くんは「6人と視聴者の橋渡し役」を、意図して引き受けている人なんですよ。

 

 

 

 

このラインを越えたからと言って際限なくボコボコに批判していいという話ではないです

 

けど、視聴者からそういう反発が出るのはそりゃそうですわね、という話。

 

7 MEN 侍のYouTube企画でちょっとファンの間で賛否が分かれることがあって、ファンの方のブログで意見を読んで色々考えることもあり私も意見をまとめよう、とかなぜ反発や拒否感が起きたのか分析しようと試みたんですがマジで終わらなかったので、少しずつ小出しでやっていこうと思います。

【追記】

アホとしか言いようがないのですがそもそもなんの動画について話しているのかリンク貼ってなかった。


https://youtu.be/f-TEvTaVKCE


こちら。頑張ってるしかわいいしおもろいです。ひやっとします(ダブルミーニング)。

あとから埋め込みすんのってどうやるんだろ。調べますね…


【追記ここまで】


個人的にはわりと楽しめました。でも楽しめなかった人の気持ちもわかるよと言うか、楽しめない人を一定数産む企画であり構成だったのは事実だよなと言う話がしたいんだけどマジ終わらんのよな。私の文章作成能力が低いからだけど…

 

suki-zakki.hatenablog.com

 

で、こちらのブログであった「危険って何?どこから?際限なくない?」という話に、これは一定のアンサーが出せるかもなと思ったので先にお話しします。


あくまで私の主観ですが、批判が出やすい、出にくいはある。どこまで行ってもゼロにすることはできないけど、見てて「流石に声を上げなきゃいけないんじゃないか」とか「これを許容したらまた繰り返されるかもしれない、なら今拒否を示すべきじゃないか」とか視聴者やファンが思ってしまうおおよそのライン。

どこから危険、他の企画とどう違う?
大きく2つあると思う。

 

 


①使用用途外であること、また使用用途外だと危険なモノ、やり方を「面白いこと」として発信したことの問題


料理で包丁使ってても使用用途通りです。用途通りということは安全に使えば最低限危険ではないという先人たちの試作や経験の蓄積がそこにはあり、一定の安全性があり、それが共通概念としてある程度視聴者にも共有されているということです。
ですが、「包丁投げて的当てしてみた!」とか言われたら危ないだろ馬鹿という反応もそりゃ出ますね。せめてサーカスでナイフ投げしてるプロを監修につけろ、となる。
ドライブ企画も事故の可能性はいつでも0%ではありませんが、運転するメンバーは免許持ちにする、道交法を守るなどの他、スタッフが前か後ろまたは両方で挟んでおくなどの安全策があってやってます。これが「車の前にメンバー括り付けて走ってみた」とかだったら使用用途外です。危ないだろ馬鹿、という話になります。カースタントの監修をつけろ。

そしてこの用途通りにある程度安全にやるということは、もしも怪我や事故があって「怪我した」としても「でも誰も悪くないよね」と言える範囲内にするということです。視聴者が納得・許容できるということ。
なので大光チャレンジや運動会動画の跳び箱でチョケたメンツは危険は危険なんだけど、(これは後日また詳しくしますが)"誰かにやれと言われてやった"のではなく主体的に"やんなくてもいいことを自分でやると決めてやった"ので「危険なことするな馬鹿!!!!!!!!」という反応が出たとしてもそれは"スタッフに対して"ではなく、"本人に対して"になります。その反応にメンバーが応えるかどうか、またどう応えるかは本人次第であり、ケースバイケースじゃないかな。それでもやりたいならやるだろうし、それを応援できるファンが残り、増え、応援できないファンはある程度去ります。健全なサイクル。

そして今回の動画は冷蔵庫や氷や衣服やドライヤーなどをそもそも使用用途に沿わない使い方をする企画でした。氷は自然にできるものでもありますがあの氷柱はどう考えても人工的に作っている。人工的に作られた氷は大抵何かを冷やすために使います。氷に触れていたのはメンバーの肌なのでメンバーの肌がひたすら冷やされることになる。冷蔵庫は物を冷やすためにあり、あそこにいるのはメンバーなので、メンバーはひたすら冷やされることになる。冷蔵庫内で作業する職員だってもうちょっとマシな格好します。スタッフのそのジャンパーをメンバーによこせよ(モンペ仕草)。

そして「彼らの身体」人体はあのサイズの氷柱を溶かす、削るという使用用途におそらく耐えられません。おそらくというか、絶対無理です。普段飲み物に入ってるサイズの氷ですら、投げたり踏んだりしないで道具もなしにどうこうするのは難しいんじゃないの?と考えると、あのサイズの氷柱を身体ひとつでどうこうしろというのは、はなから不可能な課題でした。企画のアラや構成について詳しくは後日やりたいのですが、このはなから可能性の低い課題を与えるというのも「やらされてる」感を演出してしまってアレだよね…

あと彼らの私服も「業務用冷凍庫内で凍らせる」「凍ったまま着る」という用途をおそらく想定していません。だからそれをやってどうなるかわからない。私服大丈夫だった?とみんな心配してたのはそういうことです。大丈夫でよかったねと思うが、結果論だしな…。れれが尊くて有能でよかったね…。

2つの氷柱だけは「この対決のために作られたので使用用途通り」と言い張ることもできます。ですがそれは木の枝に吊るしたロープを「これはブランコにするためにやりましたのでブランコとして安全です」と言い張るようなものです。ならん。遊具かて色々と安全規格があります。固定されてないとか色々、っつーかそもそもなんでボールなの?とか、あの対決のために作られたにしても雑で色々こう…雑。ゲームのための道具にしても雑。まあゲーム全部雑だけどな。企画全部雑だよ。構成の段で後述するからもういいけど。

つまり、氷や道具や場所を「使用用途外で使う」なら"この動画の安全面はこんな感じです"と提示する必要があったという話です。文言だけ入れときゃいいという話でもない。
最大限好意的に見て強いて言うなら外じゃなく冷蔵庫でやったのは自然に溶けた水による漏電を防ぐためと言えなくもないですが、そのせいで溶かす難易度上がって1時間以上冷蔵庫の中で撮影するハメになってませんあれ?どちらにしろお湯かけて溶かすなら漏電の危険性は変わらんし。

 

そしてそれを危険なこと動画コンテンツにする上で「笑えること」として世に出しています。危険なことを危険なこととして発信したわけではないので、多分本当はそこのギャップを笑いに変換したかったんだろうけど編集とか編集とか編集とか構成とか視聴者の求めるチャンネルの雰囲気とかメンバーのスキルとか諸々が追いついてない感じはする。最後二つに関してどうこうなったところで編集や構成があれではどちらにしろアレです。

 

②危険度×所要時間の問題


それこそ人を掃除機で吸うとかは用途外ですがそこまで危険なことにはならないだろう(顔とか指とかみたいなところを吸おうとしたら危ないかもしれませんが)という感じはあります。業務用とかだと危ないかもですが家電ならまあ、くらいの。
大光チャレンジで使われたブロワーなどは使用がほぼ一瞬〜数分程度、ガムテープぐるぐる巻きは用途外の使用ですしきつく締められたり転びそうになったりしてやや危ない向きはありますが、服の上からであることに加え、ぐるぐる巻き〜解放まで最大15分程度で終わりました。
また、ガムテープぐるぐる脱出は動画の最初にガムテープで遊ぶメンバー達の描写があります。ここでガムテープ自体彼らが気軽におもちゃにできる、ある程度コントロールできるものだということが示唆されます。

つまり危険度が低いですよと言うことになります。


んで今回、最後まで冷蔵庫で150キロの氷柱+凍った衣服直肌でトータル1時間半です。かつ、氷柱や冷蔵庫は彼らにとって楽しくおもちゃにできる範囲を超えています。また冷蔵庫にあの服装は彼らのフィジカルにデバフがかかった状態であろうことも付け加えます。

「今までは良かった(良くはなくてもそこまで声が上がらなかった)のに、今回だけなんでダメなの」の答えはここもあるんじゃないかと思います。

ただどちらにしろ相対的なイメージは大きいので、普段から1時間以上継続する苦痛が侍Tubeのデフォだったら今回の企画もそこまで言われなかったかもしれません。実際「罰ゲームじゃないのに罰ゲームみたいなことしてる侍」というイメージがあるので大抵のことは笑って許容できるファンが多いみたいなのは多分ある。

だから罰ゲームドリンクをそんな内輪ノリが通じないHiHiに持って行って微妙な空気になったりしました。だから内輪ネタなんだって。これは構成の話の時に話します(何回言うんだこの文言

というかイメージを大事にするお仕事の究極系みたいなもんですからねアイドルって。そこで事実と違う、イメージで誤解されるとか言っても仕方ないところはあります。ならその"事実"をシンプルに伝える努力をすべきだった、ということになります。ノイズが多すぎるんだよこの動画。

 

「使用用途外の使い方をすることそのものが面白い」という笑いもあるので全てやるなという話ではありません。
つーかやるならうまくやれ、またはちゃんとやれという話でもあります。これだけ体を張らせておいて動画の出来がこれなの?という怒りが少なくとも私の中にはある。構成やサムネの話をするときにこの話はまた詳しくします。
そして極端な話、使用用途通りでも危険だ嫌だ推しにやって欲しくないというオタクもまたゼロにはなりません。

だからどこまでいっても一定ラインは切り捨てることにはなるだろうというのもわかる。

でも少なくともそういうラインがあるのではないか、という話をしました。

 

 

運動会で楽しくやってる中に出したい記事ではなかったけど、まあ参考程度になれば幸いです。